第一回「障害の哲学」国際会議に参加して

第一回「障害の哲学」国際会議 「障害学と当事者研究―当事者研究の国際化に向けて」に参加して 

山根耕平

 「当事者研究を国際的に広めよう!」という目的で2013年3月30、31日東大駒場キャンパスで第一回「障害の哲学」国際会議 「障害学と当事者研究―当事者研究の国際化に向けて」が開催されました。浦河町から向谷地生良さん・秋山さん・亀井さん・朴さん・山根の5名が参加しました。会議の主催は東大の石原先生の所属するUTCP(Univetsity of Tokyo for Philosophy)で、イギリスや韓国からの発表もありました。イギリスからいらしたトム・シェイクスピアさんは社会学者で、ご自身も軟骨形成不全症という障害を抱えながらもWHOなどで活躍されていた方です。日本からは熊谷先生も「なぜ我々は自分自身を研究するのか?」という題名の発表をされて、当事者研究の国際化に大きな役割を果たしていました。
 二日間の会議では多くの発表がありました。1日目の会議は全部英語で行われ、まさに国際会議という内容でした。英語ばかりだったので、亀井さんはちょっと疲れていたようでした。朴さんは韓国語への通訳もしていたので大忙しでした。2日目からは生良さんが合流してくれて、私たちもいつものべてるの苦労を大切にする発表をすることができました。
ひとつひとつの発表に関して詳しく感想を書きたいところですが、ここでは会議の最後に熊谷先生がまとめられていた当事者研究の要点を紹介したいと思います。
 障害者の活動は大きく分けると、①知るknowing、②共有する sharing、③変える changingの3つに分類されます。このうち③変える changingはさらに、a,私を変える、b.社会を変える、の2つに分類されます。従来の障害者活動はこの③変える changingを目指して障害者に変化を強要してきました。
 しかし当事者研究では①知るknowing、②共有する sharing、の2つを大切にしてきました。当事者研究はただ、知る、共有するだけで安心できることが最大のポイントです。
 イギリスから来たトム・シェイクスピアさんも、当事者研究はこの知ること、安心することだけでよいことをこれからイギリスに帰ってからも精神科のお医者さんたちなどに伝えていきたいとおっしゃっていました。
 私も普段は北海道の浦河町に住みながら浦河べてるの家での統合失調症を中心とした当事者研究をやっているので、この東京の東大に来てみて発達障害や身体障害を含めた当事者研究の動きや、イギリスや韓国などの国際的な研究には新鮮な発見がたくさんありました。これからもこうした国際研究を続けて多くの研究が深まっていけばいいなと思いました。

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