「帰宅困難者」の研究 ~職場から家(Home)に帰るには~ ~もう一人の自分「エミリーさん」とのお付き合い~

You are here:
  • KB Home
  • 研究例
  • 「帰宅困難者」の研究 ~職場から家(Home)に帰るには~ ~もう一人の自分「エミリーさん」とのお付き合い~
< Back

研究者:絵美
自己病名:うつ病頑張り過ぎ至上主義自滅型

私は2年半前に「気分障害うつ病」との診断を受けて、仕事を休職していました。

約2年間、療養~リハビリ出勤を行い、2011年4月に正式に職場復帰することができました。これまで、病気の学習や、他者評価依存の研究、自分を助けるための方法を模索し、人と人との繋がり作り、弱さの情報公開、当事者同士が集まって話ができる場作り等を楽しみながら行ってきました。
 

2.苦労のプロフィール
復職して一般的に「社会」と呼ばれる環境に戻った時に、新たな苦労が出現しました。
それは、「帰宅できないこと」でした。連日深夜残業の暴走状態で家事は完全放棄。結果、エネルギー切れで突然職場に行く事ができなくなりました。

【現在直面している苦労】
・自分では気がつかない、身体的・精神的な疲れがもたらす突然のエネルギー切れ状態。
・エネルギー切れによるうつ病の再燃と、再休職の恐れ&失職の可能性の高まり。
・仕事を急に休むことにより、同僚の「信頼」を失ってしまうこと。
・家事放棄と夫とのすれ違いによる、家庭内不和。

3.研究の動機・目的
このままでは職場や家庭に大迷惑をかけることになり、私の生活も危うくなるため『表向きの活発で暴走気味の調子が良すぎる自分=エミリーさん』に隠された、『帰宅することが困難になって悩んでいる前田絵美=帰宅困難者』を家(Home)に帰す方法を見つけることが目的です。

4.研究の方法
今回は「職場に登場するエミリーさん」に重点をおいて研究を行いました。
協力者が「職場の上司と同僚」のため、共に話し合って実践していく方法をとりました。
上司に事情を説明して、「今後の業務の支障になる可能性があるので、その芽を早めに摘みたい」ということで研究に協力して頂けることになりました。

5.研究の経過と内容
【エミリーさんが職場から帰宅しないことで得られるもの】
帰宅困難になることで…
・職場における自分の評価を高めて守ることができる
・先行きが見えないことによる不安・未来の心配を軽減できる。
・みんなと共に仕事ができる喜び。「みんなのために頑張っている自分」に酔える。
・仕事の出来栄えを100%に近づけることができるので何が起きても安心
・自分で自分を拘束することで、病気に対する安心感を手に入れることができる。
というメリットが得られるようです。ただ、帰宅困難の苦労は職場にも迷惑をかけるので、次のような取り組みをしました。

【職場でいきなり実践しちゃおう~4つの作戦実行~】
1 みんなで早く帰ろうよ♪キャンペーン
2「できること・しなければならないこと・しなくてもよいこと」で暴走ストップ
3 適度に休むことは上手な自分助け~いけいけごーごー状態で一休み♪~
4 頑固むすめから柔軟むすめへ

6.考察&感想
現在この研究は作戦1、2、4が順調に進んでいます。作戦3はなかなか難しく悪戦苦闘中です。少しずつですがスムーズに帰宅できる回数が増えてきました。
研究中、エミリーさんが登場する理由から「仕事で評価を上げることにより、復職直後の自分に自信と安心を与えることができる」と自然に考えていたことに気がつきました。いつの間にか「他者評価依存と自己評価機能不全」状態になっていたようです。良い発見ができました。
また、本研究の最大のポイントは「職場の上司・同僚からの協力を得ながら研究を進めることができた」ということです。わがままな私の計画にご協力頂き、常に変わらず理解しようとしてくれた職場のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
まだまだ帰宅困難は続きそうですが、たくさんの人の力をお借りしながら、無事に家に帰り着こうと思います。