「森式認知行動療法」

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研究者:森 亮之
自己病名: 「統合失調症優越感爆発型孫悟空仏の手のひらから逃げれないタイプ」

■苦労のプロフィール
6年前から家に閉じこもっていた。
お風呂に入ると幻聴が聞こえ、大声を上げるという対処法をやっていた。
家族はいつも怯えていた。
2年間くらい人と会わなかった。
周りの人に悪い目で見られているんじゃないかという被害妄想を持っていた。
べてるの当事者研究と出会い、自分と周りとの壁になっているものをモニターしはじめた。
対処の仕方が上達し、自分の気持ちの幅が広がり、前向きになった。
感動したのは、自分の病気の苦労を人に話したら役に立つと分かった事。自分の経験が誰かの役に立つということを通じて「病気も含めて肯定できるという感覚」を得たと言う人は多い。ある人は「社会の息苦しさが自分の息苦しさと繋がっているという発見をした。自分の苦労をますます掘り下げたくなった」と語っていた。

■過去の対処法
現実感や人との繋がり感が持ち難いという苦労があり、爆発(大声を発する、壁にパンチして穴をあける)することで対処していた。しかし、それは副作用も大きく、結果として人間関係がズタズタになる。
自分にとって“大声爆発”は、入浴時の水道の音が悪魔の声のような圧迫を伴って迫ってくる恐怖感を吹き飛ばす有効な対処法だった。

向谷地生良さんにアドバイスをもらいながら、家庭内で即席SSTを行なった。

「爆発していいかい?」(森)
「いいよ」(母)

と、言葉で表す練習をした。

自分の気持ちを母親に伝えられるようになった結果、爆発する必要がなくなった。引きこもり状態からも出てこれた。今は人との繋がりが回復した感じがする。

■新しい自分の助け方

混乱したり集中力がなくなってきたとき
・人気のない所へ行って限界まで立ち尽くす
・頭の体操をする
・ピアノ、絵を描く

外を歩くとき噂話をされていると思ったとき
・「まぁ、ヒソヒソ話はああゆう風にするなぁ」と割り切って考える

女子がキャーキャー言ってる
・「まぁ、あの年頃の女の子は恋愛話に夢中だよな」と考える

男子が歩きながら大声で話している
・「威勢がいいんだろうな」と考える

他人の目が気になる
・他人も常にまっすぐ前だけを見て歩いているわけではない

街を歩いていて圧迫を感じる
・電柱の数を数えてみる

JRに乗っていて他人の視線が気になる
・マッサージをする

いずれの場合も、受け身にならないで状況に対して能動的になる事が大事


■コミュニケーションのツボ
・人と作り話をして、話し方のロールプレイをする
 例)
「向谷地さん作り話をしましょう」
 「どんな?」
 「桃太郎の話をしましょう」
 (適当な話をつくる)
 最終的には昼ドラのような話になった。

・音楽などを通じて会話。
・基本は無理ぜずバランスを大事にする。
・挨拶をして、この人だ!この人ならいいな!という感触を得たら話してみる。
・おばちゃんタイプは話しやすい。
・おばちゃんタイプ広げていって、おじさん、若い人など様々な人と話してみる。
・最初は大変困難な作業だが慣れてくればしめたもの。
・人の輪をどんどん広げて、自分が抱え込んでいる問題を話せる人を発見すると良い。


■研究の効果
先に進む原動力は、ひとつひとつが上手くいった時の満足感です。小さな満足感が足場になっていきます。